ストレスに対処するコツ

ストレスに対処するコツ

PiNK Fall 2018 p.26-p.27

旅行に行く予定はありますか?楽しく、心配ない旅行を計画するためにできること


がんを患った後に旅行に行くことは、リラックスし、気分を高め、病気との戦いを振り返る良い機会になります。乳がんと診断を受けた後でも問題なく旅行に行ける人が多いのですが、少し準備をするだけでより円滑な旅行となるでしょう。旅行の最終日まで足りるだけの薬を持って行くなど、 出発前に確認して起きたいことを紹介します。

保険をかける

海外旅行に行く際、旅行保険は必ず必要です。乳がんと診断された後だと、保険に入るのが難しくなる場合もあります。対応している保険会社も増えていますが、既往症があるという理由で保険に入れなかったり、保険料が高くなったりすることもあります。旅行保険の補償内容は多岐に渡るため、しっかり調べることをお勧めします。

旅行を計画する前に保険を探すことが理想です。アメリカなど、行き先によっては保険料が高くなることもあることを理解しておきましょう。がんを患った人向けの保険を専門的に扱っている保険会社もあります。また、専門の保険会社以外でも入れる保険が見つけられるかもしれません。申し込む際にがんについて申請する必要があるため、治療や予後について質問されることもあると理解しておきましょう。

紫外線に注意

紫外線から肌を守らなければいけないのは誰でも同じです。しかし、受けている乳がん治療によって、より注意が必要な場合があります。放射線治療中は照射した部位の皮膚が紫外線に敏感になることがあり、治療中は症状が続きます。

また、抗がん剤治療中も体に抗がん剤の影響が残っている間は、皮膚が紫外線に敏感になります。旅行に行くなら、SPF30以上の日焼け止めを持っていき、日中は薄手の服と帽子を身につけて、直射日光を避けましょう。だいたい午前11時から午後3時まで、最も太陽光線が強い時間帯は日に当たらないように気をつけるとよいでしょう。

飛行機の旅

飛行機に乗ることが珍しいことではなくなりましたが、治療中や治療後に飛行機に乗るのは安全なのでしょうか? 抗がん剤治療中あるいは治療が終わってからすぐに旅行に行こうと思っている場合、いつ旅行に行くのが良いか乳がんケアの看護師や専門医に相談しましょう。

長い時間座っていなければならない長旅は、脚に血栓ができる原因となる深部静脈血栓(DVT)のリスクを高めることがあります。誰でもDVTになるリスクはありますが、乳がんを患っている場合、そのリスクが若干高くなります。これは、がんそのものとその治療が原因です。

他にもがんが転移している場合(二次乳がん)もリスクが高くなります。フライト中はたっぷりと水を飲み、お酒や睡眠剤は避け、できるだけ歩き回ることでリスクを軽減することができます。リスクを下げる方法は専門医やかかりつけ医に相談してもよいでしょう。

リンパ浮腫と旅行

リンパ節の手術や放射線治療を受けた人は、リンパ浮腫のリスクがあります。リンパ浮腫とは、腕、手、乳房、または胸部がむくむ症状をさします。機内の気圧がリンパ浮腫を引き起こすのではないかと心配する人もいますが、このことを裏付ける報告はありません。

ただ、腕を十分に使わないとリスクが高まるので、長い時間飛行機に乗る場合、手を握ったり開いたり、肩を上げ下げするといった穏やかなエクササイズを行うとよいでしょう。リンパ浮腫を抱えていても旅行を楽しめないことはありませんが、注意が必要です。

着圧スリーブを使っている人は、移動中は身に付けるようにしましょう。蚊などの虫にさされる可能性のある場所に旅行に行く場合は毎日しっかり虫除けを使い、特に夜は欠かさないようにしましょう。蚊にさされた箇所が炎症を起こす場合もありますので、旅行に行く前にかかりつけ医に相談し、炎症を起こしたときのために抗生剤を出してもらってください 。

注射も忘れずに

行き先によっては予防接種が必要となることもあります。いつ受けると安全なのでしょうか?抗がん剤治療を受けている間と治療後6週間は、受けるべきでない予防接種があります。生のバクテリアやウィルスをわずかに含んでいるため、免疫力が低下しているときに接種すると危険を伴うことがあるからです。

生ワクチンではない予防接種は安全ですが、治療によっては、免疫力が低下しているときに受けても効果が薄れることもあります。詳しくはかかりつけ医に相談しましょう。



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