PiNK: 霧の中から抜け出すには

PiNK: 霧の中から抜け出すには

PiNK Fall 2018 p.26-p.27

乳がん治療の厄介な副作用として起きる認知力の低下「ケモ・ブレイン」について、アリ・レイベンが説明します。


乳がん治療を受けていると、今までのように物事に対処できなくなることがあります。本を読んでいる時にどこを読んでいたのか分からなくなってしまう、名前や場所が思い出せない、言葉が出てこないなどの症状がある場合、 「ケモ・フォグ」「ケモ・ブレイン」と呼ばれる治療の副作用が出ているのかもしれません。

がん治療の後、集中力や記憶力が低下することがあります。「ケモ・ブレイン」または「ケモ・フォグ」などと呼ばれることがありますが、がんを患う人の中には、(ケモの語源となっている)抗がん剤治療を受けていなくても記憶力や集中力に変化が生じるケースも見られます。そのため、医療関係者からは認知機能障害あるいは認知機能不全と表現することが多くなっています、これは何かを思い出したり、判断したりすることが困難になることを意味します。

ケモ・ブレインの原因は?

記憶力や集中力に変化が生じる原因ははっきりと解ってはいません。がん治療が正常な加齢のプロセスに影響を与えるのではないかと考える専門家もいます。がんの進行状態と治療による影響、倦怠感(休息や睡眠で解消できない重度の疲労感)などの副作用、閉経の症状(抗がん剤治療やホルモン療法によるもの)も大きな原因ではないかと考えられています。

がん治療を受けた人なら誰でもケモ・ブレインになる可能性がありますが、なりやすい人とそうでない人がいます。気持ちが落ち込んでいる人(がんを患う人には珍しいことではありません)や年齢が高い人、自由に体を動かせない人などはケモ・ブレインになりやすいとされています。

ケモ・ブレインってどんな感じ?

ケモ・ブレインの症状は個人差が大きく、ほとんどわからない場合もあります。症状が捉えにくく、説明しにくいと感じる人もいます。記憶力や集中力に変化が現れ、はっきりと物事を考えたり、思ったことを行動に移したりできなくなることがあります。物事の整理をするのが困難になり、思ったような言葉を発せられない、文章を最後まで終わらせることができない、どこを読んでいたのか分からなくなる、などといった症状が出ることがあります。

あなたにできる5つのこと

ケモ・ブレインかもしれないと感じたら、症状を緩和し健康状態を改善するためにできることがいくつかあります。

  1. 日記をつける

日記は、気分が良いとき、集中できないとき、記憶が曖昧なときを特定するのに役立ちます。これらを把握できると、1日の計画が立てやすくなります。やらなければならないことをリストアップするか、携帯のリマインダーに書き留めておくとよいでしょう。

  1. リラックスする方法を身につける

ストレスや不安が、記憶力や集中力に悪影響を及ぼすことがあります。リラグゼーションテクニックを使うことで、ストレスや不安を減らすことができるかもしれません。落ち着く音楽を聞いたり、深呼吸をしたりするのもよいでしょう。リラクゼーションCDやアプリを使ってリラックスすることもできます。

マインドフルネスが役に立つこともあります。マインドフルネスとは、現在に集中することで、ストレスを軽くし、QOL(生活の質)を改善することを意味します。

  1. 頭をはたらかせる

数独やクロスワードなどのパズルをすることが頭を働かせるのに良いと感じる人もいます。「脳トレ」アプリや脳を使うゲームなども、脳を活性化させ、物事を明確に把握するのに役立ちます。

  1. 体を動かし、健康的な食生活を送る

体を動かすことで、頭の中が整理され、集中力が高まることに気づくかもしれません。散歩、サイクリング、水泳など、楽しめるものなら何でも構いません。

バランスの良い食生活を心がけ、しっかり休み、十分な睡眠を取りましょう。空腹や疲労はケモ・ブレインを悪化させることがあります。

  1. 医療チームに相談する

担当の医療チームに自分の症状を話すことで、医療機関に紹介してもらったり、カウンセラーやサポートグループなどの情報を教えてもらったりできることができます。

ケモ・ブレインは治療が終わってから時間が経つにつれて軽減します。ケモ・ブレイン自体は深刻なものではありませんが、 厄介な副作用だと言えるでしょう。 



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