ホットフラッシュと乳がん

ホットフラッシュと乳がん

PiNK Fall 2018 p.20-p.21


乳がん治療によるホットフラッシュは珍しいことではありませんが、非常に不快な症状です。ホットフラッシュとは何でしょうか? どのように起き、どのような対処法があるのでしょうか?

抗がん剤やホルモン療法などの乳がん治療によって、体内のエストロゲンが減ることで、閉経の症状が見られることもあります。最も一般的な症状が、ホットフラッシュです。

ホットフラッシュとは?

ホットフラッシュとは、顔のほてり感から、全身に熱が波のように押し寄せる感覚まで、さまざまです。中には、 びっしょりと汗をかく人もいます。ホットフラッシュの頻度は人によって異なり、1日に2回の人もいれば、1時間に数回も起こる人もいます。

多くの人は、夜間にホットフラッシュが起きるためぐっすり眠れず、汗で冷えた体で目が覚めることもあります。ベッドをシェアしてる人にとっては、これがお互いの眠りの妨げになることがあります 。また、ぐっすり眠れないことで忘れやすくなったり、イライラしたり、集中力が無くなったりする問題にもつながります。

対処法は?

乳がん治療の副作用であるホットフラッシュは、我慢するものだと思う人もいるかもしれませんが、担当の専門医療チームやかかりつけ医に相談してみルことが大切です。ホットフラッシュを緩和するために実践できることがあります。

引き起こすきっかけを知る

カフェイン、アルコール、スパイスの効いた食べ物がホットフラッシュを引き起こす要因となることがあります。起きたときの記録をとっておくと、悪化させているものを見極め、何を避けるべきかを知る助けになるかもしれません。

食生活

1日3食ではなく、少しずつ頻繁に食べることで症状が軽くなることもあります。また、冷たい飲み物を飲むことで体を冷やし、ほてりを軽くすることもできます。肥満ぎみの人は減量することで症状を軽くすることもできます。

他の人に話す

ホットフラッシュを経験した人に話をしてみるとよいでしょう。良いアドバイスをもらったり、 自分の体験を話したりすることも、ホットフラッシュに対処する方法の一つです。

ホットフラッシュに対処する6つのコツ

  1. ゆったりとした綿素材の衣類を身につける。
  2. ホットフラッシュが始まったら脱ぎやすいように、重ね着をする。
  3. シルクの枕ケース、ひんやり枕、ひんやりスカーフなど涼しく過ごせるアイテムを使う。
  4. 常に飲み水を携帯する。
  5. 携帯式の扇風機を持ち歩く。
  6. 好みのフレグランスが入ったスプレーを携帯する。

専門ケアチームができることは?

専門のケアチームやかかりつけ医に、ホットフラッシュを軽減するための非ホルモン剤を処方されることもあります。副作用があるため、自分にあった薬を何種類か試すことをお勧めします。

・抗うつ剤

ベンラファキシン、シタロプラム、デスベンラファキシンなどの抗うつ剤がホットフラッシュに処方されることがあります。副作用には、吐き気、下痢、眠気、ふらつくなどの副作用が出る場合があります。

・クロニジン

クロニジンは高血圧の薬として処方されるものですが、ホットフラッシュにも効果があるとされています。副作用には、口の渇き、頭痛、便秘、眠気などがあります。

・ガバペンチン

この薬は慢性的な痛みやてんかんに処方されるものです。ガバペンチンは鎮静効果があるため、 夜にホットフラッシュが出る人には適しているといえます。副作用には眠気、ふらつき、吐き気などがあります。 

ホルモン代替療法 (HRT)

閉経の症状に効果的な治療法ですが、 HRT は乳がんと診断された人には推奨されていません。HRTが乳がんの再発を引き起こすかどうか、明らかにされていないためです。ホットフラッシュがあまりにも酷く、QOL(生活の質)に影響が出ている場合は、医療チームと相談のうえ、ホルモン補完治療が採用されることもあります。

・タモキシフェン Tamoxifen(ノルバデックス®Nolvadexr)を投与されている場合

最も一般的な副作用がホットフラッシュですすでに閉経を迎えている人は、ほてりの副作用が少ない薬に切り替えることができる場合もあります。長期間タモキシフェンを使う予定の人は、薬があっているかどうか医療チームに確認しでみましょう。

自然療法と植物エストロゲン

ホットフラッシュを軽減するために、月見草オイル、朝鮮人参、セイヨウオトギリソウ(セントジョンズワート)などの自然療法を試す人もいます。あるいは、女性ホルモンと同じような作用を持つ、植物由来の植物エストロゲンを試す人もいます。

これにはレッドクローバーや大豆サプリメントなどがあります、効果はほとんど実証されておらず、乳がんを患者にはあまりお勧めできません。サプリメントを使う前に必ず担当の看護師や専門チームに相談し、治療に影響しないことを確認してもらいましょう。

代替療法

代替療法を試す女性も多く、催眠療法、鍼、瞑想などもこれに含まれます。ホットフラッシュの軽減に関する研究結果は様々ですが、役に立つと感じる人もいるようです。



パートナー