11 7月 ガーデニングとマインドフルネス
FROM PiNK SPRING 2017 p.26-p.27 (オンライン雑誌はこちらをクリック)
BY MARTHA BRETTSCHNEIDER
春になってクロッカスが芽を出し始めたのを見たとき、どうして幸せな気持ちになるのか、不思議に思ったことはありませんか?
自分の庭がある人もない人も、私たちのDNAの中の何かが、花に惹きつけられるようです。また、私たちが魅了されるのは、花の美しさだけではないようです。花や植物と感情的なつながりを持つその行為自体が、落ち着きと心の安らぎをもたらし、幸せだと感じる気持ちを高めてくれるのです。
「生涯幸せでいたいなら、庭いじりをしろ」という中国の諺がありますが、これは科学的にも証明されていることです。植物を育てている人の方が、ストレスが少なく、人生に対して楽観的で、身体的にも精神的にも健康だという研究結果が報告されているのです。
30歳になるまであちこち転々とする生活を送ったこともあり、マーサ・ブレットシュナイダーがガーデニングのもたらす幸福感を認識するのはだいぶ後になってからでした。当初は多少抵抗があったそうですが、20年前に根を下ろしてから、庭が「マインド フルネス」について教えてくれるようになったとマーサは話します。まだそのような言葉を知るだいぶ前のことです。
ガーデニングがどのようにマインドフルネス、そして幸せをもたらしてくれるか、マーサの経験を通してご紹介します。
1. 今この瞬間に集中できる。
ガーデニングは、土を触ったり、風が頬を撫でるのを感じたり、バラの香りを嗅いだり、シャベルに乗せた土を持ち上げるときの筋肉にかかる力を感じたり、摘んだばかりのベリーを味わったりと、さまざまな形で私たちの感覚を刺激してくれます。こういった刺激によって、その瞬間に意識を向けさせてくれるのです。過去や将来の心配は、土を掘っている間にすぐに忘れてしまいます。身体で触れることのできる、実体を持つものに触れるガーデニングは、今この瞬間にすべてのエネルギーを注ぎ込むことができるのです。
2. 生命の源と繋がることができる。
自然の中で美の育成と新たなる成長を支え、地球の恵みが花開く手伝いをすることで、宇宙の壮大な計画の一部して動いているのです。地球が必要としていることに応えてあげると、地球はご褒美をくれるのです。ラルフ・ワルド・エマーソンがかつて書いていますが、「大地は花の中に笑う(Earth laughs in flowers)」のです。
3. 堆肥のメンテナンスから、汚いところからも美しいものは生まれることを学ぶ。
これは辛いときに覚えておくべき視点です。生ゴミの中にいるのではないかと思うほど、ネガティブなことばかりあったとしても、時間と忍耐と内省によって、ポジティブな変化が起きるのです。
4. 新たな成長のためには、不必要なものを省く。
マインドフルネスでも、役に立たない、不要な考えを取り除くことを教えられますが、ガーデニングも同じことです。マインドフルネスを実践するたびに、少しずつ改善され、自分の心も、外見も花開くのです。
5. 創造性を育てる。
景色は色、感触、形から成り立っています。ガーデニングによって生まれる創造性は、花壇を美しく作り上げることにとどまりません。感覚をフルに活用することで、ガーデニングは右脳の創造性を呼び覚ますのです。ガーデニングによってもたらされる、落ち着き、より開かれた心を育み、クリエイティブなアイディアが生まれ、問題解決が可能になります。宇宙は私たちに何かを生み出して欲しいのです!
6. 何もかもコントロールしなければならないという欲求を解き放つ。
私の大好きなガーデンライターであるマーガレット・ローチの次の言葉は、まさに私の言いたいことを表しています。「自分や耳を傾けてくれる人に繰り返し話しているのは、30年間ガーデニングを学び、実践してきた中で唯一分かっているのは、生きているものはいずれ必ず死ぬということ」。ガーデニングをする人たちは、何事も永遠には続かないということを受容し、学ぶ一方で、春は必ず再び訪れることも理解しているのです。
7. ガーデニングは雨降りの日でも、予想外の美しさに出会える。
雨がなければ何も成長しないのです。些細な部分にでも目を向ければ、キラキラするような美しさを見つけることができるでしょう。