ピンクボール2014 レポート

ピンクボール2014 レポート

Pink Ball 2014 「The Music of the Night」
文:北林あい

小雪がちらつく三寒四温の3月7日、今年もラン・フォー・ザ・キュア・ファンデーションが主催する「Pink Ball 2014」がウェスティンホテル東京で開催されました。第11回となる今年のテーマは、『ミュージック オブ ザ ナイト』。音楽にまつわるさまざまな趣向に乞うご期待!

カクテルアワーでは、チーズマスターによるスペシャルパフォーマンスがゲストをお出迎え。多彩なイタリアンチーズが並び、その場でこんがり焼いたとろけるチーズをシャンパンやカンパリと共に楽しむゲストの姿が見受けられました。伝統的な製法で提供するモッツァレラチーズのデモンストレーションも行われ、できたてのチーズを味わえる演出はグルメなゲストたちに好評。真っ赤に輝くテスラ車が飾られたホワイエでは、サイレントオークションがスタートし、航空券と一流ホテルの宿泊券セットやディナー券、高級ジュエリー、スノーウェアまで70種類以上の景品が揃い盛大に開催。そして、昨年も好評だったサバイバーメッセージコーナー「Dear Survivor」も健在です。こちらのコーナーは、乳がんの治療中であったり、厳しい治療を乗り越えたりしたサバイバーたちに向け、フランスの高級万年筆メーカーS.T.Dupontのご協力のもと、同社のペンでメッセージを書いていただくというもの。サバイバーにより選ばれたベストメッセージには、S.T.Dupontの美しいペンが贈られます。

19時半を回った頃、メイン会場にゲストが続々と集まり、ディナータイムがスタート。『ミュージック オブ ザ ナイト』にふさわしく、ゲストを迎えたのは「転輪太鼓」の勇壮な和太鼓の生演奏。彼らは、第8回東京国際和太鼓コンテストで日本一に輝いた実績があり、海外でも評価が高く、各国のフェスティバルなどに出場し多くの感動を呼んできました。会場が大きな拍手に包まれ、今年も華やかに幕を開けた「Pink Ball 2014」。改めてスポンサー企業のご理解と、パーティーを裏方で支えるボランティアスタッフに感謝が尽きません。

当ファンデーションの代表、ヴィッキー・パラダイス・グリーンによる開会の挨拶の後、乳がん治療の分野で貢献した人物に贈られる「Unknown Hero」の受賞者が発表されました。今年、同賞に輝いたのは、千葉大学大学院看護学研究科の阿部恭子さん。阿部さんは、乳がん患者やその家族に対し、治療において体、心、社会的サポートを行う乳がん看護認定看護師の育成に力を注いでいます。サバイバーであれば誰もが経験したことのある、乳房手術による絶望感、薬の副作用による不安や肉体的苦痛をケアし、日常生活の質の向上を目指す活動は、今後ますます需要が高まることが予想されます。乳がん治療の現場で、患者の立場にたったケアをモットーとする、阿部さんの活動に敬意を表さずにはいられません。

毎回ゲストから好評をいただいているスペシャルコースディナーですが、今年は「エリオ ロカンダ イタリアーナ」のエグゼキュティブシェフをゲストシェフに迎え、イタリア料理のフルコースをご提供。

料理と共にワインが進み、会場の雰囲気が和むなか、「Pink Ball 2014」のテーマ『ミュージック オブ ザ ナイト』を象徴するメインパフォーマンスがスタート。しかも、サプライズで!さっきまで客席でサーブしていたユニフォーム姿のウエイターに突然スポットライトが当たり、その瞬間、体の底からわき上がるような見事な声量で「オペラ座の怪人」を歌い上げるではありませんか。会場には、まだまだオペラシンガーが隠れていて、全員にスポットライトが当たると、ゲストの表情が驚きと歓喜に包まれます。ステージに上がったオペラシンガーズは、ユニフォームを颯爽と脱ぎ捨て、オペラ歌手のいでたちでもう1曲披露。シンガーの1人、永井崇多宏(ながい たかひろ)氏は、フリーのマルチ歌手。クラシックではテノール歌手としてオペラや宗教曲、合唱、アンサンブルなどを得意とし、テノール歌手の声域の他にボーカリストとしても約4オクターブの音域を持つ実力派。京都劇場にて劇団四季「オペラ座の怪人」に出演を果たしています。美食と美酒を楽しみながら奇跡の歌声をご堪能いただき、ステージを後にするオペラシンガーズに送られた盛大な拍手が、ゲストの満足度を物語っていました。

和やかに歓談が続く中、恒例のラッフル抽選会とライブオークションの時間に。ラッフルの景品は、ウェスティン・シカゴリバーノースの朝食付き宿泊券や、南オーストラリアのロゼワインなどが用意されました。また、ライブオークションでは、高級ホテルの宿泊券や航空券とワールドゴルフカップの参加権のセットなど10種類の景品が揃い、続々と競り落とされていきます。いよいよ宴もたけなわという23時、パーティーの最後を飾るダンスタイムの始まりです。サックスプレイヤーのマーカス・ピットマン率いるバンドConductorsの演奏と、ジャマイカ出身の歌姫モニーク・ディヘイニーのソウルフルなボーカルが会場のボルテージを上げ、「Pink Ball 2014」は盛会のうちに幕を閉じることができました。

客席にはメディアでおなじみの著名人の姿も見受けられ、「Pink Ball」の認知度の高まりを実感します。ラン・フォー・ザ・キュア・ファンデーションでは、日本において乳がんが命を脅かす疾患ではなくなるために、これからも早期発見、早期治療の啓蒙活動を継続していきます。加えて、医療環境の充実が不十分な地域におけるアウェアネス、診断、治療のさらなる向上をサポートするため、今後もチャリティーイベントを開催します。お陰様で皆さまのご協力のもと、「Pink Ball 2014」では、1400万円の寄付金を募ることができました。この寄付金は、乳がん治療の最新情報を提供する「PiNK」誌の制作/発行、セミナー費用、マンモグラフィー検診の助成費用などにあてられます。今後ともラン・フォー・ザ・キュア・ファンデーションの活動に、ご理解、ご協力を賜りますようお願い申し上げます。



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