追悼:日本初のブレストセンター創設者 ラン・フォー・ザ・キュア・ファンデーション メディカルアドバイザー 中村清吾先生

追悼:日本初のブレストセンター創設者 ラン・フォー・ザ・キュア・ファンデーション メディカルアドバイザー 中村清吾先生

ラン・フォー・ザ・キュア・ファンデーションのメディカルアドバイザーを23年にわたり務めてくださった中村清吾先生が、2025年5月9日に68歳でご逝去されましたことを、謹んでご報告申し上げます。先生は膵臓がんの治療を続けておられました。

中村先生は、日本における乳がん医療の先駆者であり、日本初のブレストセンターを創設し、全国の女性たちの治療とサポートの在り方を大きく変えてこられました。

1956年東京都生まれ。1982年に千葉大学医学部をご卒業後、2005年には聖路加国際病院にて初代乳腺外科部長に就任。2010年には昭和大学(現・昭和医科大学)乳腺外科学教授に就任され、在任中にブレストセンターを設立。専門看護師や遺伝カウンセラーをはじめとする多職種と連携した「チーム医療」を中心とする新たな乳がん治療体制を築かれました。

近年は、遺伝性乳がん・卵巣がん症候群(HBOC)に対する遺伝カウンセリングおよびゲノム医療の普及に尽力され、日本遺伝性乳癌卵巣癌総合診療制度機構(JOHBOC)の設立にも携わられました。また、厚生労働省のもとでHBOC関連治療の保険適用拡大にも多大な貢献をされました。

先生の深い知識と温かいお人柄、そして揺るぎない献身は、財団の創設当初から私たちを導いてくださいました。そのご功績に深い感謝と敬意を表するとともに、日本の乳がん啓発と支援活動を通じて、その志を未来へと受け継いでまいります。

心よりご冥福をお祈り申し上げます。



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